恐竜ひろば 〜DINOSAURS PARK〜
恐竜リポート

博物館や恐竜博のリポートです。
恐竜リポート2012 > 02.世界最大 恐竜王国2012【幕張メッセ】(千葉県)
2012/07/20
幕張メッセで開かれている「世界最大 恐竜王国2012」の内覧会に行きました。

プロローグ 恐竜の進化は挑戦の歴史

ズケンティランヌス
展示室にはいるとすぐに大きなスクリーンがあり、大型獣脚類の羽毛についての映像が流れていました。このスクリーンの奥には、2009年に中国で発見されたティラノサウルス類「ズケンティランヌス」の全身骨格があります。

コンフキウソルニス
スクリーンの周りには、羽毛の進化系統をたどることのできる標本がいくつか展示されていました。これによると、恐竜は出現した三畳紀から羽毛を持っていた可能性が高いということです。
後期ジュラ紀に生息し、現在発見されている最古の鳥「アーケオプテリクス」や前期白亜紀の「コンフキウソルニス」も展示されていますが、竜盤類獣脚類古鳥類という分類になっています。鳥類はもう、恐竜類の一つとして扱われているのだなあと思いました。
進化して鳥類に近くなり、華麗な羽毛を持つようになった恐竜たちもいました。そのなかには、「アンキオルニス」や「シノサウロプテリクス」のように色がわかったものもいます。「シノサウロプテリクス」は栗色もしくはオレンジ色をしていて、尾の部分は縞模様だったそうです。他の恐竜たちも、現在の鳥の様にとてもカラフルだったのでしょうか。

第一章 超大陸パンゲア恐竜王国 ひとつの超大陸から始まった

超大陸パンゲア
パンゲア大陸をつくった地球内部のエネルギーによる火山活動で、ペルム紀末には生物の大量絶滅が起こりました。しかし、大絶滅の後生き残った生物たちは、広大な大陸の中で様々な進化を遂げました。

コエロフィシス
進化していった生物のひとつが、恐竜です。爆発的に栄えた初期の恐竜で有名なものに、コエロフィシス類がいます。陸続きであることを利用し、これらの小型獣脚類はアメリカ、ヨーロッパ、さらにアジアまで広がり、さらなる進化を遂げていきました。

パラセミオノトゥス
ここには、マダガスカルで見つかったたくさんの魚類化石も展示されていました。これらは前期三畳紀のもので、恐竜の出現よりもすこし前の時代ですが、魚類の種類は似ていたと考えられ、当時の生態系に関する貴重な資料となっています。

第二章 西ローラシア恐竜王国 巨大恐竜たちの楽園

竜脚類
パンゲア大陸は、ジュラ紀のはじめから北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸の二つに分かれ始め、そのことによって今まで乾燥していた内陸部が暮らしやすくなりました。そして、恐竜たちはどんどん大型化していったのです。私たちの知る有名な巨大恐竜たちの時代の幕開けです。

 左から
 ディプロドクス、アパトサウルス、カマラサウルス、ブラキオサウルス

アロサウルス
さまざまな環境変化の結果、はじめに竜脚類が巨大化しました。巨大竜脚類の代表格である「ディプロドクス」や「ブラキオサウルス」はこの時代が全盛期。次いで捕食者である獣脚類も大型化し、「アロサウルス」や「ケラトサウルス」などが現れました。

ケラトサウルス
この時代の恐竜たちにも羽毛があった可能性が高いと考えられています。しかし、とてつもなく大きな体を持つ竜脚類は、羽毛があると多くの熱を溜め込んでしまい危険です。そのため、「子どもの頃は体温を保つために羽毛があり、成長するにつれて抜け落ちていったのではないか」という説が適切ではないかといわれています。

第三章 熱河恐竜王国 羽毛恐竜の夢の跡
ここでは、中国遼寧省にある前期白亜紀の地層「熱河層群」から産出した恐竜たちが展示されています。この地層では、1990年半ばくらいから羽毛恐竜がたくさん見つかっているそうですが、今回見つかったのは「羽毛恐竜は小型」という私たちのイメージを大きく覆す恐竜です。

大型の羽毛恐竜ユティランヌス

羽毛の跡が残るユティランヌスの化石

ユティランヌスの戦い
今年の4月に新発見された巨大羽毛恐竜は「ユティランヌス」です。全長9メートルにも達します。3体発見されたこの恐竜のうち、2体は同じ場所で折り重なるようにして見つかったそうです。なわばり争いでしょうか。それともつがいだったのでしょうか。今回は2頭が戦うような体勢で展示されており、この恐竜展のひとつの見ものとなっています。

アンキオルニス
ほかにも、ここ熱河層群では、「羽毛の色彩が大部分解明された恐竜」として最近話題になった「アンキオルニス」なども見つかっています。

第4章 諸城恐竜王国 世界最大の恐竜の楽園
こちらは中国・山東省南部にある諸城(しょじょう)市での産出恐竜を展示しています。たくさんの恐竜がみつかることからこの地域は「竜城」とも呼ばれており、世界最大の発掘現場があります。
さきほどの「熱河層群」は、火山灰による地層ですが、この竜城は大規模な洪水によって化石ができた可能性が高いということです。大量に化石が見つかるのは、この洪水のような自然災害でたくさんの恐竜が一度に死んだからでしょう。

フアシアオサウルス
竜城では、世界最大級のティランノサウルス類「ズケンティランヌス」や世界最大のハドロサウルス類「フアシアオサウルス」など、巨大恐竜がたくさんみつかっています。とくに後者に関しては、全長が19メートルとほかの鳥盤類に比べずば抜けて巨大です。下から見上げるとものすごい迫力でした。

諸城の竜脚類
竜脚類も見つかっています。初公開のこの竜脚類はまだ名前が付いていません。ティタノサウルス類と考えられているようです。

ティランノサウルスと
トリケラトプスの戦い

ズケンティランヌスと
シノケラトプスの戦い

ズケンティランヌスと
ズケンゴサウルスの戦い
今回の恐竜展で目を引くのは、「肉食恐竜対草食恐竜」の戦いです。とても迫力ある骨格の展示がされていて、当時の様子を思い浮かべることができます。なかでもティランノサウルスとトリケラトプスの戦いは圧巻で、恐竜好きなら是非見ておきたい対決シーンといえるでしょう。
「ズケンティランヌス」は2009年に発見されたティランノサウルス類ので、アジア最大の肉食恐竜です。同様に諸城で発見されたアジア最大の角竜「シノケラトプス」とハドロサウルス類の「ズケンゴサウルス」との戦いも見ものです。

恐竜体験コーナー

ティランノサウルスを動かす
いろいろな体験コーナーも設けられています。
「ティランノサウルス」のリアルな生体復元ロボットを動かすこともできます。正面からみるとちょっと怖いです…
ティランノサウルスの噛む力や視野を体験できるコーナーもあります。

デジタル恐竜復元体験
刷毛で画面の砂を払っていくと化石が出てきます。みんなで協力して早く化石が出てくるようにします。もっとがんばると、恐竜がよみがえります。
「ティランノサウルス」と「トリケラトプス」の2種類があります。

ゴンドワナ化石発掘体験
ここで体験できたのは、4種類のアンモナイトの発掘です。砂に埋まったアンモナイトを、刷毛でていねいに掘り出します。真珠光沢があるもの、殻のひだがとても美しいものなどがあり、大人も子どもも楽しめます。

ゴンドワナ恐竜王国

アルヴァレズサウルス
白亜紀にはゴンドワナ大陸とローラシア大陸が完全に分離し、大陸間の行き来が難しくなったため、それぞれの大陸で独自の進化をしています。
アルヴァレズサウルス類は発見当初、鳥類と思われていたそうです。また南アメリカ産のものは東アジアのものより大型だそうです。
ここでは「アルヴァレズサウルス」が展示されています。原始的な部類に属し、グループの名称にもなっていていますが、「アルヴァレズサウルス」は他の展示で見たことがなかったので、とてもうれしいです。

トゥプクスアラ
恐竜のほかに、近縁の翼竜や中生代を代表するアンモナイトの展示もあります。

エピローグ 今を生きる恐竜たち

新生代の恐鳥類ディアトリマ
近年、「恐竜は隕石の衝突による地球環境の変化で絶滅した」という説がほぼ決定的となりました。確かに、巨大隕石による衝突によって舞い上がった塵が地球上を覆って太陽光をさえぎり、地球環境は激変して大絶滅を招いたというこの説はかなり説得力があります。
しかし、この地球環境の激変を生き延びた生物もいます。恐竜の中でも鳥類は生き延びました。アンモナイトは絶滅しましたが、近縁のオウムガイは現代にも生きています。
大陸移動や海水準の上昇によりもたらされた恐竜の多様性。1億6千万年続いた恐竜時代の中で、後になればなるほど、恐竜の化石は多く発見されているそうです。しかし、環境の中で収容できる生物の量は無限ではなく、同じ場所に多数の種が占めれば1種の個体数は少なくなります。種の中での遺伝子的多様性は低くなり、結果的に急速な絶滅を招いたのではないか。そんな可能性もあるそうです。
一方で、多様性は異なる環境での生存を可能にし、環境の変化にも耐えうる種が生まれ、生き延びられるのだと思います。恐竜は多様化の過程で鳥類が生まれ、現代へとその子孫をつなぐことができたのではないでしょうか。
それではK/Pg境界を生き延びた鳥類と、鳥類以外の恐竜類との違いは何だったのでしょうか。羽毛の獲得がポイントではないかと思っていましたが、他の恐竜たちも羽毛を獲得していたとなると、鳥類が生き延びた理由は他にありそうです。今後の研究結果が楽しみです。

恐竜の子孫はこんなに美しい


図録やグッズです。

図録

クリアファイル

ノート

中身はチョコクランチ

ガシャポン
HOME

Copyright(C) 恐竜ひろば. All Rights Reserved.